化粧品を沈める夜叉ヶ池の供物
どんな伝承か
ひどい旱で水が尽きた年のこと。田のそばに蛇が一匹いたので、水をくれたら娘を一人やろうと約束した。翌朝には田になみなみと水が張られ、蛇は美しい侍に化けて娘を受け取りに来る。親は仰天したが、口にした以上は渡さぬわけにいかず、機を織っていた娘を山の夜叉ヶ池まで引いていった。娘は蛇の術によって蛇の姿となり、そのまま池へ入ってしまったという。以来、八月のある日になると、池の主となったこの神へ土産を携えて参る習わしが続く。相手は娘だからと化粧の品などを供えると、水は渦を巻いてそれを沈めていくと語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。