六部の化猫退治
どんな伝承か
この村の鎮守に人身御供が出されていた。出さないと病が流行り米がとれなくなるという。人身御供は村の端から順番に出しており、その順番が神崎郡沢村、つまり鎮守のある村の百姓、堤佐助のひとり娘に回ってきた。村一番の器量よしであった。ちょうどそのとき伊勢の方から芝左太夫という侍が訪ねて来て、毛並みのよい強い犬を連れていた。話を聞いた芝左太夫は、人身御供を出す前に鎮守へ参ることにした。ところが道の途中で今まで見たこともない大きな猿が現れて邪魔をする。それを見た犬が喉に噛みついて殺してしまうと、大猿は古狸に変わって逃げていった。これ以後、人身御供を出すことはなくなった。氏神も伊勢の神を祀るようになり、沢村の名をやめて犬飼村と改め、村中の人たちが犬を大事にしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。