坂の金毘羅社の霊験
どんな伝承か
広島県安芸高田市(旧高田郡向原町)坂に伝わる話によれば、八幡社の社司・青山多太夫は子がないことを嘆き、七日七夜こもって祈願したところ、満願の夜に金毘羅神が夢に現れ、男子を授けると告げた。翌年、告げの通り男子・宮出来(のちの青山和泉守吉重)が生まれた。吉重が三十九歳のとき、再び金毘羅神の夢告により定命を告げられ、その通りに息絶えたが、家族が祈り続けると三刻ののち蘇生した。吉重は讃岐の金毘羅社へ礼参りし、持ち帰った五色の小石を神社に納めて祈ると、数々の霊験があり「坂のこんぴらさん」として知られるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高田郡史 民俗編――伝説(高田郡(編)・高田郡史・自治体史(民俗))
『高田郡史 民俗編』所収の伝説。広島県高田郡(安芸高田・吉田町ほか)に伝わる口承を採録する。