元の辻へ帰りたがった北向きの庚申様
どんな伝承か
川島町の前田、吉野川の川筋と並んで走る道と、川へ下る道が交わる辻に、猿田彦大神と大書した真っ赤な幟が立っている。お堂をのぞくと、顔を朱に塗り赤い前垂れをつけた神像が、目を見開いてこちらを睨んでいた。この庚申様には言い伝えがある。明治の神社合祀令で近くの川島神社へ合祀されたところ、町内で不祥事が続き、住民の夢に庚申様が現れて、元の場所に帰りたいと告げた。そこで川島神社から背負って連れ帰ったのだという。川筋に向いた北向きの庚申様は珍しく、霊験もあらたかだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・1996年-2004年(取材期間に基づく推定))
魔王の木槌を求めて=稲生物怪録(妖怪伝説奇聞)/稲生平太郎の妖怪変化体験/一ツ目巨人・逆さ生首・化け蝦蟇/三次・比熊山の妖怪伝説/各地の妖怪奇聞