ちきりを抱いて淵に沈んだ牛首城の姫
どんな伝承か
安芸高田市高宮町の佐々部に、ちきり淵と呼ばれる淵がある。牛首城が落ちたとき、追われた姫が機織り道具のちきりを抱えたまま、城の背後のこの淵へ身を投げたという。以来、耳を澄ますとちきりの音が水底から聞こえてくると言い伝えられてきた。あるとき村の若者が二、三人、音の正体を確かめようと淵にもぐって近づいた。よく見ると、下半身は大きな蛇、腰から上は髪を振りさばいた女の姿で機を織っている。驚いて帰った若者たちは、そのまま気がふれてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
広島県史 民俗編――伝説の分布(広島県(編)・広島県史・自治体史(民俗))
『広島県史 民俗編』所収の伝説の分布論。広島県(安芸・備後)に伝わる伝説を、その素材と分布の地域的特色から論じる。