宍戸大明神の祟り
どんな伝承か
甲田町上甲立の田口に宍戸大明神という社がある。長和出雲守隆忠を祀る。隆忠は宍戸元源の二男で、幼い五龍城主宍戸隆家の後見をつとめていたが、家臣が本家乗っ取りを策していると讒言したため、大永二年二月十四日の朝、登城する隆忠は五龍山表側の表平で襲われ刺し殺された。このとき隆忠は葦毛の馬に乗っていたので、以来甲立では葦毛の馬を飼わぬという。七日目の夜、一天にわかにかき曇り、雷雨の中を隆忠が白馬に乗って田圃を荒らし回ったといい、大きな地鳴りとともに隆忠の声がする、隆家が突然眼病にかかるなど不思議が続き、秋になっても作物が実らなかった。隆家は悔いて田口に剣大明神を勧請して祀った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高田郡史 民俗編――伝説(高田郡(編)・高田郡史・自治体史(民俗))
『高田郡史 民俗編』所収の伝説。広島県高田郡(安芸高田・吉田町ほか)に伝わる口承を採録する。