木部姫とカニの禁忌
どんな伝承か
中島では村に榛名神社を祀り、住民はその氏子になっている。神の使いである眷属はカニとされ、利根川へ出かけてもカニは捕らず、口にもしない。この決まりは今も固く守られているという。中島ではまた、箕輪の木部姫が榛名湖に身を投げて竜になったとき、付き従った腰元たちがカニに変じて姫を探し回ったと語られ、榛名湖の水が美しく澄んでいるのは、カニがいつも湖の中を探しているためだといわれている。
原典より
箕輪の木部姫が榛名湖に入水して竜になり、その時の腰元がカニになり、姫を探したと伝えられ、榛名湖の美しく、きれいなのは、カニが探すためだといわれている。—— 高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話(群馬県民俗調査報告書 第20集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話(群馬県民俗調査報告書 第20集・群馬県民俗調査報告書)
『高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話』は、『群馬県民俗調査報告書』第二十集『高崎市東部地区の民俗』のうち、口頭伝承の章である。榛名湖に入って蛇となった木部姫、弘法大師の七つ井戸、慈眼寺近くの餓鬼坂、オサキ使いの家などの伝説と、うばすて山や和尚と小僧、火の玉や死の予兆の体験などを、話者の地区名を添えて収める。伝説・昔話・命名・諺の項に分け、村の姓やあだな、農事や天気にかかわる諺も採録している。