災難よけと商売繁昌に分かれた不動
どんな伝承か
東京では、成田不動は災難よけの神、目黒不動は商売繁昌の仏だと言われている。著者はこれをとんでもないことだと退ける。多くの信者は不動尊の他力によって災難や病を払い、家内安全や商いの繁盛を得ようとし、はなはだしくは相場を当てたい、置屋や待合が儲かるようにと願をかける。本来の不動心は、悪をなさず善を行い自らの意を浄めるために己を鍛える教えであって、拝めば徳が天降るというものではない。寺のほうも節分の豆まきに俳優や力士を年男として雇い、守札や賽銭の売上げに励んでいると批判している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(文部省迷信調査協議会・日本の俗信・昭和(1949-52))
文部省迷信調査協議会『日本の俗信2―俗信と迷信』(昭和24-27年)。シリーズ第二巻で、迷信の理論的考察と各論を収める。