雉子の卵の祟りと雷獣の爪跡
どんな伝承か
草加の柿木町に伝わる話。子供のころ、夏休みに遊びまわった帰り道、水の涸れた堀の柳の根方に雉子が卵を産んでいるのを見つけ、いたずら好きの一人が面白半分に割ってしまった。雉子は鎮守の使いの鳥で、その卵を荒らせば必ず目を病むと言い伝えられていたので、皆びくびくしていたが、案の定その晩から子供たちの目が真っ赤に腫れた。鎮守の祟りだと大騒ぎになり、翌日そろって詫びに参ると二、三日で治ったという。雷にまつわる話も多く、落雷を受けた木に残る裂け目や引っ掻き傷は、雷とともに降りてきた雷獣が暴れた跡だと語られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市史民俗編のうち「二 伝説」の章である。地名起源・塚・神々・地蔵・薬師・観音・その他の神仏・旅の僧・動物と妖怪の九節で、柿木や青柳の地名の由来、毛長神社の御神体、疣地蔵や火あぶり地蔵、雨乞いの龍、むじな大尽などを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の伝えによって記す。第十節「世間話」は狐・むじな・狸・雷獣の聞き書きを集め、話ごとに町名と話者の頭文字・生年を添える。