氷川神社の祠に坐すヘイナイ様
どんな伝承か
草加市住吉一丁目の氷川神社の境内に、小さな祠がある。間口三尺、奥行一尺五寸ほどの中に、憤怒の形相をした像が納められている。右膝を立ててその上に右手を置き、左手は胡座に折った左足の膝に乗せた半跏の姿で、正式にどの神仏なのかは分かっていない。土地の人はこれをヘイナイ様と呼び、耳の病に霊験があると信じてきた。参れば耳の患いが癒え、遠くなっていた耳もよく聞こえるようになると言い伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市史民俗編のうち「二 伝説」の章である。地名起源・塚・神々・地蔵・薬師・観音・その他の神仏・旅の僧・動物と妖怪の九節で、柿木や青柳の地名の由来、毛長神社の御神体、疣地蔵や火あぶり地蔵、雨乞いの龍、むじな大尽などを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の伝えによって記す。第十節「世間話」は狐・むじな・狸・雷獣の聞き書きを集め、話ごとに町名と話者の頭文字・生年を添える。