貝の名を姓にした落人の一族
どんな伝承か
片貝の集落を開いたのは片川本家の先祖だと伝えられる。その先祖はもと前川といい、朝廷内の対立で一方の旗頭を務めたが、争いに敗れて一族もろとも追討される身となった。上方から逃れて落ちのびた先が、片貝地区のはずれを流れる片貝沢の奥だった。追われている以上もとの姓は名乗れないので、その沢にいた片貝という貝から一字を借り、片川と改めたという。やがて追手を恐れる必要もなくなり、沢の奥から現在の集落の地へ移り、そこを片貝と名づけた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。