尻尾をくわえて回るキツネの変化
どんな伝承か
脇野沢では、人を化かすほどのキツネは普通の姿かたちと違うと考えられ、とりわけ尻尾の異様さが語られる。尻尾に白い柄のあるもの、尻尾の白いもの、あるいは三つ又に分かれた尻尾の中にホショウの玉を持つものが、人を化かすキツネだとされた。化けるときは尻尾を口にくわえてぐるぐる回るか、尻尾で何かを叩くかすると女の姿になり、その出来ばえを水鏡に映して確かめるのだという。マタギから聞いた話として、昼間にキツネが尻尾をしごき、しごき終えると口にくわえて木の周りを回り出したので、化かされると思って逃げ帰ったという話が伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。