夢枕に立った眉間の欠けた子育地蔵
どんな伝承か
笠懸村山際の吉沢寿一家では、屋敷の中の小さな堂に、額から上の欠けた石の地蔵を子育地蔵として祀っている。家の言い伝えでは、昔、先祖の夢に眉間を傷めた地蔵が現れ、傷で難儀しているので祀ってくれれば子供を丈夫に育てようと告げた。翌朝その場所へ行くと、眉間の上が欠けた石地蔵が置かれていたので、それ以来代々祀ってきたという。名付け地蔵とも呼ばれ、山際をはじめ村の家々では子が生まれると名前の候補を三つ紙縒りにして供え、引き当てた名を付けた。病弱な子の名をこの地蔵で付け替えてもらう人も多かったという。
原典より
そして翌朝、その場所に行ってみると、みけんの上が欠けている石地蔵様が置いてあった。—— 笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇(笠懸村誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇(笠懸村誌)
『笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇』は、笠懸村の村誌の別巻にあたる資料編のうち、民俗篇の一部である。竹沢・鹿の川・北山・山際・岩宿などの集落に伝わる民間信仰を収め、産泰様や大間々の道了様への参詣、オサキ使い、ものもらいや百日咳のまじない、地震・雷・雹のときの唱え言、赤城山の雲を見る天気占いなどを記す。俗信・まじない、天候や動物に関する俗信、仏教民俗、忌詞の項からなり、各条の末に伝える集落名を添える。