掘ると目がつぶれるハイ薬師
どんな伝承か
前鹿田の大沢金作さんの家の裏庭に、胸から上だけを地面から出した薬師様があった。ハイ薬師と呼ばれ、いくら掘っても下の部分は見えてこないという。あるとき実際に掘り起こそうとした者がいたが、その人はのちに目が見えなくなってしまったと伝える。同じ村の岩宿にある星野種一郎家の薬師さまも目の神で、姿を見れば目が潰れると言われ、白い布に包まれて人には見せなかった。また吹上には、乳の病に苦しんだ人が死に際に、自分を拝めば乳の悪い人を治してやると言い残して仏に祀られた乳仏があり、今は稲垣貞行家で祀られている。
原典より
あるとき、それを掘った人がいて、のちに目がつぶれてしまった(清水)。—— 笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇(笠懸村誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇(笠懸村誌)
『笠懸村誌 別巻2 資料編 民俗篇』は、笠懸村の村誌の別巻にあたる資料編のうち、民俗篇の一部である。竹沢・鹿の川・北山・山際・岩宿などの集落に伝わる民間信仰を収め、産泰様や大間々の道了様への参詣、オサキ使い、ものもらいや百日咳のまじない、地震・雷・雹のときの唱え言、赤城山の雲を見る天気占いなどを記す。俗信・まじない、天候や動物に関する俗信、仏教民俗、忌詞の項からなり、各条の末に伝える集落名を添える。