水乞鳥(博労の女房)
どんな伝承か
水乞鳥が鳴くと雨が降るといわれるわけを語る話で、この鳥は博労の女房とも呼ばれる。亭主の留守中に馬の世話をろくにしない意地の悪い女房がいて、帰ってきた亭主に馬へ水をやったかと聞かれると、いつも、やりましたと嘘をついていた。そのうちとうとう馬を干し殺してしまい、女房は鳥に生まれ変わった。ところが水を飲もうとすると自分の腹が水面に映って飲めず、雨を待ってわずかに喉を潤すしかないのだという。
原典より
そこでとうとう鳥に生れ変ったが、自分の腹が水に映って、水を飲むことが出来ず、ただ雨をまって、ようやく咽喉を濡らすばかりだ。—— 神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄の「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げる。昔話は本格昔話と派生昔話(化物譚・笑話・動物昔話)に分け、藤沢・津久井・平塚などの類話を並べて世間話にも触れる。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなる。