箱根の見返し坂と雲助
どんな伝承か
箱根山にも見返し坂という地名があり、そこには痛ましい話が伝わっている。近江の商人浪花屋の跡取り息子が身を持ち崩して雲助に落ちぶれ、息子の行方を捜して訪ねてきた両親を、過って殺してしまったという。見返坂や見返松という名は地物に付けやすく、伝説を伴いやすい名であったとされ、鶴見で西郷従道が汽車を見返したという坂の話と並べて語られている。
原典より
「見返し坂」という地名は箱根山にもあり、ここでは江州の商人浪花屋の嗣子が身を持ち崩して雲助になり、息子を探しに来た両親を誤って殺してしまったという話を伝えている。—— 神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄の「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げる。昔話は本格昔話と派生昔話(化物譚・笑話・動物昔話)に分け、藤沢・津久井・平塚などの類話を並べて世間話にも触れる。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなる。