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鶴見の見返し坂と西郷従道

所在地神奈川県横浜市鶴見区(見返し坂)
年代明治五年十一月
登場西郷従道、黒川荘三
出典神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話

どんな伝承か

明治五年十一月、役人らしい人物が鶴見村の名主の家を訪れ、富士山の見える所へ案内してほしいと頼んだ。黒川荘三が御墓山へ案内して坂を登っていくと、中ほどで汽車の響きが聞こえ、その人は振り返ってしばらく足を休め、汽車が停まるのを眺めながら、この坂は汽車を見返す坂だとひとりつぶやいて頂上へ登った。帰り道の停車場で受け取った自筆の名刺に西郷従道とあったので、記念にこの坂を見返し坂と名付けたという。鉄道が開通して間もない頃の出来事で、伝説が近代になっても生まれた例とされる。

原典より

坂道の中央まで来ると汽車の響が聞えたので振り向き、暫らく休んで汽車の停車を見ながら「ああ此の坂は汽車を見返し坂だ」と独りつぶやきながら頂上に登った。—— 神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)

『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄の「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げる。昔話は本格昔話と派生昔話(化物譚・笑話・動物昔話)に分け、藤沢・津久井・平塚などの類話を並べて世間話にも触れる。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなる。

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