雨を降らす白髪明神
どんな伝承か
亀山の豊島池のほとりには、何百年もの時を経た三本の松が空高くそびえ、その根もとに白髪明神(白玉明神ともいう)という小さな社があった。いつから祀られたのかはわかっていない。日照りが続くと、村の者ばかりか近隣の村々の百姓たちもここへ集まって供え物をささげ、獅子舞などを奉納して雨を乞うのが習いだった。そうすると必ず雨が降り、百姓たちは大いに喜んだと伝わる。のちにこの社は豊島神社へ合わせ祀られ、昔の面影はすっかり消えて、雨乞いの行事もいつしか絶えてしまったという。
原典より
昔旱天続きのときは、きまって村はもちろん近郷近在の百姓達が集まって、お供えを捧げ獅子舞などを奉納して雨乞をすることにしていた。—— 渥美町史 考古・民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渥美町史 考古・民俗編
『渥美町史 考古・民俗編』は、渥美町の町史のうち考古・民俗編で、ここに収めるのは第二章「民間伝承と信仰・俗信」の第一節「伝説と昔話」の部分である。西ノ浜に上陸した家康にまつわる松や茨、膳貸せ岩、白馬になった池の主、大地震で海に沈んだ小塩津、秀忠が掘らせた井戸など町内各地の伝説十二話と、古屋の漏りやかちかち山などの昔話を収める。両者の違いを説く解説を前に置き、各話に地区名を添え、昔話は昭和六十年から六十一年の調査で採られたと記す。