月の輪熊と熊祭り・熊荒れ
どんな伝承か
白山山系の猟師仲間には、月の輪熊にまつわる言い伝えが残る。肩から胸に白い三日月形の輪があることから月の輪熊、あるいは白山熊と呼ばれ、月からの落とし子で山の神の使いとされた。猟師は熊を仕留めると、その場で薙刀と呼ばれる肉片を切り出し、魂が天に還ってふたたび山に生まれることを願って山の神に供えたという。これを熊祭りと呼ぶ風習が伝わっている。よく晴れた熊捕り日和のあとには、決まって天候が急変して荒れることがあり、熊の魂が生まれ変わるためとも、山の神の怒りだともいわれ、熊荒れと呼ばれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史・自治体史(民俗))
『河内村史 下巻(民俗編)』第三節所収の民話・伝説。石川県河内村(白山麓)に伝わる白山信仰の伝説を採録する。