軒ショーブ(苧環型)
どんな伝承か
昔、あるところに、おじいさんとおばあさんと娘の三人が暮らしていた。娘によい婿を見つけてやろうと思ったがよい相手がいなかった。ところが娘は家を出ては夜遅く帰ることが幾晩も続き、聞いても何も言わない。そのうち娘の腹がばかに大きくなってきた。問いただすと、男とよい仲になり毎日迎えに来るのだという。両親は、今夜男が来たら着物に針で糸を縫いつけて来いと教え、娘はそのとおりにした。両親が糸をたぐって行くと、糸はずっと沼地のほうまで続いていた。娘の相手は沼の主の大蛇に違いないと驚いた両親は、風呂に菖蒲と蓬を入れて娘を入らせ、腹の大蛇の子を堕ろさせた。それから軒先に菖蒲と蓬を挿すようになったという。
原典より
昔、あるどごに一人の替え衆が居たんだど。—— 氏家町史 民俗編――伝説・昔話(氏家町(編)・氏家町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
氏家町史 民俗編――伝説・昔話(氏家町(編)・氏家町史・自治体史(民俗))
『氏家町史 民俗編』第5章所収の伝説・昔話。栃木県氏家町(現さくら市)に方言の語り口で伝わる口承を採録する。