島じゅうにいた五島の河太郎
どんな伝承か
五島では、島じゅうのどこにでも河童がいると語られてきた。ほんの小さな流れにも棲みついていたという。ここで河太郎と呼ばれるものは、尻の玉を抜くとか相撲を挑むといった点では本土の河童と変わらないが、それに加えて人にとり憑くという性質をもつと伝えられる。島には野生の狐や狸がいないため、狐に憑かれたとか狸に化かされたという類の話は耳にしないが、そのぶん河太郎の悪戯を語る話が島のいたるところに残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・昭和)
武田静澄『河童・天狗・妖怪―民俗随筆』。全国の妖怪伝承を天狗・河童・ざしき童子・妖怪心理の四部で随筆風に集成する。天狗篇では天狗の団扇・誕生、祈禱くらべ、天狗に憑かれた女、幻術つかい、神かくし、天狗にさらわれた人々(お庭番のゆくえ・天から降った男・ふたり夫・天狗六兵衛・おかんの末路)、神かくしにあう心理、ぐひん餅と山荒れ、天狗の相撲場などを収める。