安乗村の帆船人形流し
どんな伝承か
三重県志摩郡の旧安乗村、現在の志摩市阿児町安乗でも、旧七月晦日の夕刻に行事があった。出郷の者が、藁でつくった大きな帆船に人形を乗せたものを持ち、役人につきそわれて村中を回り、それを高浜の海へ流したという。同じ志摩郡の旧的矢村、現在の磯部町では、同様の行事を悪神を追うためのものとしている。著者はこれらを、禍いする怨霊を送り出す面が強く残った盆行事として、鳥羽市小浜町の貧乏神送りとともに挙げている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。