法蓮と大袋の稲荷白狐
どんな伝承か
法蓮は上州の大袋に新城を築いて移ったが、地の利が悪く思案していた。用事で同郡舞木の寺院へ赴く途中、道のほとりで童たちが狐の子を捕らえてなぶり殺そうとしているのを見た。不憫に思い、下人に持たせた火打袋の料足を童たちに与えて狐の子を買い受け、林の繁みへ逃がしてやった。夕方に帰る道で、どこからともなく小男が現れて跪き、涙を流して救助の恩を述べ、大袋の城地には不祥の気がある、西北に当たる館林こそ勝地であるから居を移せば繁栄しようと勧めて道案内をした。法蓮は大いに悦び営作を約した。小男は我は大袋の鎮守稲荷の神なりと言い捨て、白狐となって失せた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。