バッソン貧乏神と福の神
どんな伝承か
布川から羽中村へ来る中道で、百姓が田の草取りをしていた。そこへ、魚の行商をしていたバッソンが、羽中村のほうへ売りに来て通りかかった。百姓がからかって、おおい、貧乏神どこさいくだ、と声をかけると、バッソンは、ああや、おらあ、おめんちへいくだ、と答えた。貧乏神に入り込まれてはたまらないと頭にきた百姓は、一日中やり返す言葉を考えていた。バッソンが帰ってくる姿を見ると、すかさず、おおい、福の神、どっからけえってきた、と声をかけた。バッソンは内心にやりとして、ああよ、おらあ、おめえんちから出て来ただあ、と答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史・自治体史(民俗))
『利根町史 第4巻(通史・民俗編)』第一章所収の民話と伝説。茨城県利根町の文・布川・文間・東文間各地区に伝わる口承を採録する。