信者、白昼に提灯を下げ歩く
どんな伝承か
出口なおの反開化のメッセージに従い、明治三十年代頃の信者たちは、木綿物を着たり、髪を切らないで蓬髪にしたり、旅支度を蓑笠と草鞋履きにしたり、マッチや肉食を禁じたりした。そして「さっぱりこの世は暗闇である」というなおの言葉に従って、白昼に火をともした提灯を下げて歩いたりもした。西洋のモノを開化・進歩を象徴する「聖なる」ものとする文明化の趨勢に対し、貧民層に根ざした素朴な排外主義の身振りであり、「聖なる」モノへのささやかな「瀆聖」であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶(川村邦光・現代(近代史研究))
民俗学者・川村邦光が、近代日本が在来の習俗や憑きもの信仰をいかに〈迷信〉として再編し、狐憑きを脳病・神経病・憑依妄想へ病理化したかを、具体的事件・事例に即して論じた近代史。