ともに菩提を弔った女が風邪で死ぬが里人が埋葬せず野に捨て
どんな伝承か
『二人比丘尼』の後半で、弥兵衛の妻は夫にさき立たれた同じ境遇の二十才ばかりの女と逢い、ともに慰めあって亡き人の菩提を弔うが、その女はふとした風邪がもとで亡くなってしまう。妻は里人に野辺送りを頼んだけれども、里人はその遺骸を埋葬せず野に捨ててしまった。死体は髪が乱れ、肉はやぶれて蛆が生じ、青蠅がたかる。七日、二七日、三七日と日を経るごとに目もあてられぬほどの腐乱状態になり、四七日には蛆も青蠅もたからなくなって臭気もうすれ、ついに五七日には白骨化して男女の区別もつかなくなった。それを見た弥兵衛の妻は、剃髪して尼となってしまうのだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路・幽霊・文学史・昭和)