騎手なき馬が帰る美談
どんな伝承か
汽車が矢岳のスウィッチ・バックにかかるころ、同行の堀内から西南の役の話をしろと請われて、著者は池辺吉十郎の逸話を語った。池辺は西南の役のとき馬を借りて、川尻からそのまま返してやったところ、馬は騎る人を乗せぬまま、もとの農家へひとりで帰っていったという。その時分の美談である。塩原多助が出てきそうだねえと言って、堀内は著者にきまりのウィスキーを一杯振る舞った。なおその池辺吉十郎の息子は、著者が東京朝日新聞へ入社しようとして面接試験を受けにいった相手であり、立派な風采の人だったと続けている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化