奥床しい狐(京都)
どんな伝承か
ある男が日暮れに朱雀大路を通っていると、すばらしい美女に行き逢った。近づくほどに美しく、男が宿へ誘うと、女は契りを交せばあなたは必ずすぐに死ぬと言って承知しない。それでも口説くと、女は、では私があなたの命に代りましょう、哀れと思うなら私のために法華経を書き供養してほしいと言って共に寝た。明け方、女は形見に男の扇子をもらい、証拠は内裏の武徳殿のあたりを御覧なさいと告げて別れた。翌朝男が武徳殿へ行くと、一匹の狐が白い扇子で顔を覆って死んでいた。男は法華経を書き供養し、四十九日の夜、女は天女に囲まれ忉利天に生まれ変わったと礼を述べ昇天したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗・近代〜現代(民俗研究))
淫祠(みだらなる神仏・エロ教団の実態・はだか弁天/くすぐり弁天/おめこ大黒など性的み仏)、道祖神信仰と金精さまの地方色、邪教・新興宗教(璽光尊・殺人教ほか)、SEXに関する異妖迷信、妖術・忍術・魔術、憑霊現象と特殊家系(憑きもの筋)、心霊術・読心術・催眠術、妖婚、妖異性愛風俗まで、日本の性と妖異の民俗を網羅。