木曾・清博士の晴明の墓
どんな伝承か
御嶽山の東方、標高九八〇メートル前後の山間にある長野県木曽町新開の清博士には、安倍晴明の墓とされる二基の五輪塔が門柱のように並んでいる。晴明の墓所と伝える場所は各地に十か所ほどあるが、晴明に由来する地名が付いた例はほかにないという。ハカセは民間陰陽師の別称であり蔑称でもあった。清博士は明治六年まで「清墓士」と書き、僧侶のいない山村で毛坊主が葬送の世話に当たっていたことに由来するとみられる。現在は数戸の小集落だが、晴明の墓の所在地であることを積極的にうたい、そばに安倍の晴明・駒見公苑という小公園も作られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)