羽黒権現遊びで言い当てた親の姿
どんな伝承か
半田では明治の末ごろまで、子どもたちが羽黒権現遊びに興じた。男の子が数人で輪をつくり、その真ん中へ目隠しをした一人を入れて、周りがあさ山、は山、羽黒の権現、十日の稲荷、と繰り返し唱える。やがて中の子は神が乗り移ったノッタという状態になり、問いに答えるようになる。父は何をしているかと尋ねれば畑で麦を刈っていると答え、母のことを聞けばよその家で茶を飲んでいると答えた。仲間が確かめに走るといずれもそのとおりで、遊びを終えるときは背中へ指で犬の字を書いて叩き、正気に戻したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ・1980年代-1990年代推定)
本書は群馬県渋川市の民俗編として、地域に根ざした信仰体系と死生観を記録した資料である。民間信仰と俗信を既成宗教以前の下部構造と位置付けた上で、死の前兆(人魂現象、予知)、生死の境での異世界体験、死後の蘇生・生き返り、転生輪廻などの多様な事例を収集している。特に行幸田地区では生き返り事例が集中し、地域固有の信仰と関連する可能性が高い。