松原街道の橋で行く手を遮られる
どんな伝承か
土淵村の瀬川繁治という若者は、急な腹痛でしばしば気を失った。十年ほど前にもそうなり、息を吹き返してから、恐ろしい目に遭ったと語った。松原街道を急いで歩き、立派な橋にさしかかったところ、唐鋤を手にした小沼寅爺と駐在所の巡査が二人がかりで行く手をふさぎ、通してくれないので引き返してきたのだという。この若者は今ではすこぶる達者である。佐々木の曾祖父も同じように気を失ったことがあり、広い街道を進むと大橋があって、その先に石垣を高く積んだ立派な寺が見えたと、蘇生後に語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。