恐山のイタコに降りた親友と女の霊
どんな伝承か
恐山でイタコに親友の血脇啓寿を招いてもらったときのこと。降りてきた血脇は延命に力を尽くしてくれた礼を述べ、二人だけの内輪の話にまで及んだ。その途中でイタコが急に苦しみ出し、別の仏が割り込んできたと言う。呼んでもいない女の霊だった。イタコは数珠を打ち鳴らし、脂汗を浮かべて追い返そうとしたが去らない。仕方なく用件を問うと、霊は満州であなたに命を救われた者だと名乗った。帰国して立ち直ろうとした矢先に不治の癌を告げられ、望みを失って自ら死んだのだと泣いた。著者は後になって、大連の老虎灘で投身しかけた娘を助けた記憶を思い当たったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私は幽霊を見た(東雅夫(編者)・昭和中期~後期(推定1970年代~1980年代))
私は幽霊を見た=怖い怪異体験(東雅夫編)/人魂・鬼火・狐火/機関車・電車の怪/各地の幽霊目撃談/不気味な怪音と怪異