16:強盗のお蔭で命拾いをした京都の尼さん
どんな伝承か
京都に住む蓮月尼のもとへある夜、強盗が押し入り金を出せと脅した。尼は少しも騒がず手箪笥から金を出して与えた。強盗はさらに茶漬を求め、残り飯を平らげ、なお足りぬと言うので、尼は昨日もらった麦粉菓子を出してやった。強盗が遠慮なく食べると急に苦しみ出し、その場に悶絶して絶命した。取り調べの結果、その菓子は尼に金を借りていた者が尼を毒殺しようと毒を仕込んで贈ったものと判明した。強盗が毒に死んだのは天罰であり、強盗が入ったおかげで尼が命を助かったのは奇蹟だと結ばれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件