そば代払った菊之介
どんな伝承か
日清戦争が終わって間もないころ、佐賀市材木町一丁目で起きたという話。梅玉一座が九州を回るうち入りが落ち、病んだ下まわりの菊之介を興行先に預けたまま旅立った。佐賀に来た十三夜の晩、不入りで座が白けていると、思いがけず近くのそば屋から盛りそばが一四人前届き、楽屋の入口には薄羽織を着ておじぎをする菊之介の姿があった。一同が食べ続けていると、一人が「菊之介は死んでいる」と叫ぶ。折しも走り使いの男が菊之介の骨壺を持って現れた。そば屋はついに代金を請求に来なかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。