座席だけがぐっしょり
どんな伝承か
群馬県伊勢崎市で語り継がれる話。今から二十年ほど前(昭和二十四年当時)、自動車の運転手が客を乗せて東京へ走った帰り、東京のある場所で美しい若い娘に呼び止められた。伊勢崎まで乗せてほしいと頼まれ、願ったりと夜道を走らせたが、埼玉県のある場所でバックミラーをのぞくと娘の姿が映っていないことに気づく。振り返ると座っているのに鏡には映らないという不可解さに恐怖を覚えた。指定された伊勢崎の場所で止まると、娘はすでに消えていた。運転手はそれから寝込み、三日ほどで死んだと当時の新聞各紙が姓名・番地まで詳しく報じたという(住谷修『春宵愚談』昭和二十四年)。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。