地蔵松の枝を切った日の墜落
どんな伝承か
昭和一六年頃の話。樹齢二、三百年という大きな松があり、幹の近くには小さな地蔵が祀られていた。戦時中、この近くに鈴鹿海軍航空隊の飛行場が造られる。訓練で離着陸する飛行機にとって松は邪魔だったが、誰もが伐るのを恐れて手を出さなかった。そこへ向こう見ずな男が一人、自分が枝を切ってやろうと言って取りかかった。太い枝が切り落とされるのと同時に、訓練中の飛行機が墜落したという。それきり、切ろうと言い出す者はいなくなった。地元ではこの木を地蔵松と呼び、報告者は自著『鈴鹿の昔話』の中で千手大松と名づけている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)