亡き姑が惜しんで動かなかった椰子
どんな伝承か
昭和の終わりの冬の話である。熱帯植物園を営んでいた舅が、住まいの玄関脇に椰子を植えていた。その椰子はやがて大樹に育った。家を建て替えることになり、ブルドーザーで押しても椰子はびくともしない。手を焼いていると、知り合いの庵主が通りかかり、前の年に亡くなった姑がこの椰子を大切にしていた、伐られるのを嫌がっているのだと告げた。そこで庵主に祈念してもらい、あらためてブルドーザーを入れると、椰子はすんなりと動いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)