月夜の縁側に響く狸の腹太鼓
どんな伝承か
東京都小平市大沼町の話。「今、横山不動産というのがあった、その向こうに。昔は縁側があって庭も広かった。外縁側だったから、いい月夜の晩にはポンポンポンポンと狸が腹太鼓をたたいたという。とてもいい音でたたいたと、おばあさんの親が言い伝えでおれに聞かせたことがある。月がかんかん当たっていて、木もそう多くはなかったから、月を見ながら腹太鼓をたたいたのだと言っていた。私などはよく知っているが、月を見ながらの十五夜などはたいしたものだった」と明治四三年生まれの西窪貞助が語った。妻のイセも「外縁だったから、縁側で踊っていたんだってよ」と話したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。