うろから今熊山の札が出た天狗の松
どんな伝承か
八王子市美山町の遠ノ谷戸での話である。一番高い山の頂近くに大きな木が茂っていたが、それを伐り倒したところ、木のうろの中から今熊山の札が四枚も五枚も出てきた。あんな尾根の上、大きな松のうろにわざわざ札を入れる者などいるはずがない、これは天狗のしわざだと語られた。そこは昔から天狗が止まる場所だといわれ、丑寅の方角へ枝を一本伸ばした松は天狗の止まる木として、誰にも伐らせなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。