34. 柏木の猟師と隠し弾の伝説
どんな伝承か
伯母が峰から三里ほど北の柏木という里に、昔、腕力も胆力も人に勝れ、鉄砲の極めて上手な栄造という猟師がいた。ある晩、鉄砲玉を造っていると、傍の飼猫が出来た弾を一つ一つ触ってみる。それを見た老婆が怪しんで、明日の山行きには隠し弾を忘れず持って行けと注意した。隠し弾とは南無阿弥陀仏の六字名号を刻んだ弾で、必ず命中するが一代に一度しか使えず、使えばその日限り猟をやめる作法である。栄造は「果ての二十日」の早朝に伯母が峰へ分け入り、現れた古猫に弾を撃ち尽くしたのち、最後の隠し弾で撃って追い払った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪伝説(小笠好恵・昭和中期~後期(推定))