幸安仙界物語の名山往来
どんな伝承か
紀州の島田幸安の神隠しは、江戸の高山嘉津間の一件から三十年余り後のことで、いずれも十七歳の青年の異常な経歴を記したものである。幸安はまず和歌山近くの花山というところに登り、それから九州某地の赤山という所に住んだと語った。赤山の住侶はいずれも仙人で、それぞれ道書にあるような漢名を持ち、天狗などは身分の低いものだと大いに軽蔑していたという。支那にも北アジアの山にも往ったといい、その叙述の不正確さは幕末頃の外国地理の知識そのままであったと柳田国男は評している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。