駿河井川村の山神の犬(ころ)
どんな伝承か
駿河志料巻三十によれば、駿河安倍郡井川村の山中には、里人が山神の犬(ころ)と名づける一種の怪獣がいる。小さな獣で毛色は白または黒、白黒の交じった斑もある。鼠ほどの大きさだが形は黒犬のようで、耳を垂れ尾を巻き、鳴く声もまた犬の吠えるのに似ている。常には見ることがなく、稀に見ることがあれば杣人などは渓水に垢離を取り、山神の森に向かって山中の無事を祈る。この獣は多くは山神の森で見るので里人がこう名づけたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。