本所梅原家の土蔵のクラボッコ
どんな伝承か
東京にも百年ほど昔、一種のクラボッコが住んでいた例がある。本所二丁目の、相生町と緑町との横町であった。梅原宗得という人の家の古い土蔵に、妖怪とはいっても別に害をした話のない妖怪がいて、いろいろの形で現れたという。この土蔵に入って働く者が俄に大小便を催すときは、この物が出ようとする前兆として急いで飛び出したという。夜は鉄棒を曳く音がした。これも火防の神として祭られ、この家から火災除の守札を出して霊験を認められていた。祭の日は四月十四日であった。(十方庵の遊歴雑記第二編下)
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。