本所オイテケ堀の声ばかりの化物
どんな伝承か
本所の七不思議の一つに数えられるオイテケ堀という怪談がある。魚釣りの帰りなどに「置いて行け、置いて行け」と路傍から呼びかける、声ばかりの化物で、気がつくと魚籠は空になっていたという類の評判である。しかしこれは江戸以外にはほとんど聞かない話で、狐や山猫は携えている食物を奪うというけれども、闇の横合から声をかけることはない。声を掛ける各地の路の怪は、むしろ反対に「持って行け」というのが普通だと柳田国男は指摘している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。