琉球引物工・鮫島某の帰化譚
どんな伝承か
琉球塗と称する赤い漆器の木地はどのように製し、いつ頃この島に轆轤の使用法が入ったのか。「琉球国旧記」には木地引勢頭一員が王家に置かれたことが相当古いように書かれ、近世には別に引物奉行を建てて分管したとある。「遺老説伝附録」には、大隅国分の人・鮫島某が海上で逆風に遭って漂流し沖縄に至り、数年留まった後に宮古島の女を娶って子まで生まれたので、ついに帰化して安里掟と称し、久茂地から後に若狭町に住んで引物を産業とし、後にまたその業を国中に伝えたとある。俗にこれを引物工、または轆轤工という。本国の轆轤はこれより始まると記すが、柳田は話が少し新しすぎるようだと述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。