烏賊が念仏を聴聞に来る話
どんな伝承か
壱岐で聞いた話で後々まで屡々思い出すのは、烏賊が十月十日の夜の念仏を聴聞しに来るといって、その頃に浜で毎年たくさん捕られるという話である。これは芦辺浦の東南の海岸の話だが、同じ話はまた隠岐にもあった。島後の東郷のある浦にはそれで有名な念仏堂があり、島前の浦郷にも烏賊が由良姫様の祭礼に群をなして参詣するという話があった。今はよほど不信心になっているだろうが、顕著な事実だからまだ知っている者が多い。他でもこの話は時々聞くようだと柳田は記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。