対馬・壱岐の海女の限られた分布
どんな伝承か
対馬の在来の海女は、厳原のすぐ近くの曲という部落一つだけで、他には全く無いのがむしろ意外であるという。曲は由緒も公に認められ、もとは若干の特権を持っていた。養和の帝を奉戴していたということも、この部落の言い伝えである。壱岐島でも芦辺と八幡と渡良の小崎と、この三箇所の浜にしか海女はいない。何か農民とは一緒に住まぬ理由があったものと思われる。対馬南端の浅藻などには済州島の海女が来て小屋を掛け海藻を採っており、全島を合わせると百人を超えるという巡査の話であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。