佐渡鷲崎の澄んだ潟と藻
どんな伝承か
佐渡の島の東北端、鷲崎という静かな潟も、水が澄んでさまざまの藻が茂っていた。越後などから燃料の雑木を積みに小さな船ばかりが入って来て繋いでいるが、晴れた秋の朝の船出などに、差し込む日の光を以て描かれる風情は、棹や櫓で掻き乱すに忍びないような見事さであろうと思われた。南の島へ行くに随って隠れ岩は次第に花やかな彩色を加えるようだが、鷲崎の湊のあたりには冷たい潮が通うためか、藻の緑は殊に深く、かつ葉の広い北海の種類が多かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。