白糸を積んだ名主嘉兵衛の遭難
どんな伝承か
青ヶ島の名主の家は、大噴火のときまでに八代続いていた。四代目の嘉兵衛は五か年分の年貢の白糸を船に積み、八丈島へ運ぼうとして海上で遭難し、行方知れずになった。寛永二十年のことであるから、島が開かれたおおよその年代も察しがつく。その先代にあたる父の与五衛門もまた、海の上で行方が分からなくなったと伝えられる。名主の役を務めおおせることは、平穏な年ですら決して楽ではなかったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。