佐多伊座敷への蒲葵葉の手土産
どんな伝承か
鹿児島湾を船で横切ると、大隅半島の西岸では大根占村の民家に、初めてよく成長した蒲葵の木が高く聳えているのを見かける。南するに従って次第に多く、いずれもよく耕された畠の畔か、そうでなければ人の垣根の中であって、その他は皆神地のみである。蒲葵の無い所では、ただの家でも皆その葉を欲しがっている。柳田が佐多から戻って来る時に荷物を背負ってくれた女なども、そのついでに伊座敷の親類を訪ねるといって、手土産とも言われないビロウの葉を十枚ばかり、鞄の上へ結わえ付けたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。